コラム
服は捨てずにリサイクル|
自宅がすっきりして環境負荷の軽減つながる2022.11/8
もくじ
近頃のファッション業界は、環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)な取り組みを行う企業が増えてきました。理由は衣服の製造にかかるエネルギー使用量が多く、ライフサイクルも短いことから環境負荷が非常に大きいためです。環境への悪影響を緩和する方法の一つとして、リサイクルが挙げられます。衣服のリサイクルは不要になった服が処分できる上、環境保全に役立つため一石二鳥と言えるでしょう。
Vol.1 国内で処分されている服の量
ファストファッションの台頭により、衣料品が安価で気軽に購入できるようになりました。それに伴い、廃棄される衣類の量も増えています。環境省の依頼で日本総研が調査した資料によると、2020年の時点で衣類の国内新規供給量は81.9万トンと推計されており、その中の64.8%である約51万トンもの衣類が廃棄されています。
出典:株式会社日本総合研究所
Vol.2 服をリサイクルするメリット
服のリサイクルは収納問題の解決以外にも、社会貢献や地球環境への配慮などがメリットとして挙げられます。
部屋の整理
サイズアウトや好みの変化などで着用しなくなった服があると、クローゼットの中がいっぱいになってしまうため整理が大変です。着用しない服を処分することで、現在のお気に入りの服が見つけやすくなり、コーディネイトの時間も短縮できます。余計な服がなくなると、部屋やクローゼットに余白が生まれるため、気分もすっきりするでしょう。
社会貢献につながる
自分がいらないと判断した服でも、素材や状態によっては必要としている方の役に立つこともあります。一部の発展途上国では常に衣服の寄付を受け付けています。物資が手に入りにくい地域の方にとって衣類の寄付は非常にありがたいと歓迎されるでしょう。また震災などの被災地では同様に衣服を必要としているケースが多くあります。自分が着用しない服を寄付することで、被害で苦しんでいる人々が暖を取ったり、衛生的な生活をしたりする手助けになるため社会貢献につながります。
環境への負荷軽減につながる
リサイクルされる服が増えれば、新しい服の製造量が減少すると予想されるため、環境への負担軽減が期待できます。新しい服の製造が減れば、服の製造に関わる原材料や電気、ガス、水の使用量が抑えられます。また製造量の減少によって発電や製造工場における空調等の使用が減り、排出される二酸化炭素の量が減ることも環境保全につながるでしょう。
Vol.3 着なくなった服を再利用する方法
着用しなくなった服を再利用する方法を3つ紹介します。服の再利用は「リサイクル」にまとめて表現されることも多いですが、厳密には「リユース」「リメイク」「リサイクル」に分けられます。
リユース
リユースは古着とも呼ばれ、そのまま再着用することを目的としています。自分が不要と判断した服でも、欲しいと考える別の人に着用してもらうことで、服が無駄になりません。リユースは再加工等を行わないため、服の加工に伴うエネルギーや労力が不要です。製造のために行う企画考案や製造、輸送に関わる人員やコストも削減できます。また一部の服は、数量限定や製造終了などさまざまな要因から新品と同等かそれ以上のプレミア価格が付けられることもあり、独自の価値観を持つケースも多く見られます。
リメイク
不要になった服の素材を使用し、新たに作り替えるのがリメイクです。元の素材を生かしてより価値のある製品に生まれ変わらせる「アップサイクル」もリメイクと言えます。またアップサイクルとは逆の意味を持つ「ダウンサイクル」もリメイクに含まれます。ダウンサイクルとはTシャツから雑巾を作ったり、木製の家具を薪にして燃やしたりと元の価値より下がる、継続性のないリサイクルのことです。
リサイクル
こちらに該当するリサイクルとは、リユースもリメイクもできない衣料品を素材レベルで再利用することです。しかし汚れが付着していたりさまざまな繊維が混じりあっていたりするために、リサイクルが困難なケースもあります。
Vol.4 衣服のリサイクル(改修サービス)の方法
子衣服のリサイクル方法を大きく分けると「寄付する」「引き取ってもらう」「売る」の3つです。それぞれの具体例を紹介します。
自治体に寄付する
自治体によっては衣服(古着)の回収をしていることも少なくありません。回収された衣服をリサイクル事業者が買い取り、その代金を自治体に寄付する取り組みを行なっているケースもあります。不要になった服を無料で処分できるだけでなく、地域に貢献できるリサイクルの方法です。
アパレル企業・店舗に持ち込む
近頃、不要になった服を回収し、リユースにつなげるサステナブルな取り組みを行なう企業が増えてきました。そういった企業の店舗では回収ボックスなどを常設し、ユーザーにリサイクルを呼びかけています。とはいえ、回収してもらえる服は自社ブランド限定という企業も多いため、持ち込む前に確認しましょう。
リサイクルショップを利用する
服の好みが変わり、着用しなくなった服をリサイクルショップに持ち込めば、買い取ってもらえる可能性があります。服のブランドや状態などにより、金額は大きく変わりますが不要な服を処分できる上、お金をもらえるのは大きなメリットでしょう。大量にまとめて持ち込めたり、自宅まで引き取りに来てくれたりして、一度に処分できるのもリサイクルショップの良いところです。ただし服の状態が悪い、元値が安いなどの場合は、査定が0円や引き取ってもらえないケースもあります。
Vol.5 回収された衣服の再利用方法
回収された衣服の再利用方法は以下の2つに分けられます。
● リユース・再利用する
● 素材を原料まで戻し再利用する
リユース・再利用する
破れやひどい汚れ等がない場合、まだ衣服として利用できるためリユースとしてのニーズがあります。リサイクルショップへ持ち込んだり、寄付したりと有効活用できるでしょう。リユースが難しいケースでも、リメイクの素材として再利用されるケースもあります。
素材を原料まで戻し再利用する
衣服としての利用以外にも、素材として再利用されるケースもあります。化学的に分解して原料まで戻し、プラスチックなどに加工され原料として再利用される「ケミカルリサイクル」と呼ばれるリサイクル方法です。また衣服を分解し、布として再利用されることもあります。「マテリアルサイクル」と呼ばれ、雑巾など衣服以外の用途に使用します。
Vol.6 服をリサイクルする際の注意点
服のリサイクルにはいくつかの注意点があります。主な注意点は以下の4点です。
● 必要に応じて洗濯するなど綺麗な状態にする
● カビや大きな破れ、目立つシミがある服はNGなのでリサイクルに出さない
● 持ち込み先のルールを守り、引き取り可能な衣服を持っていく
● 間違ってリサイクルに出した場合は戻ってこないと諦める
上記の注意点を踏まえた上でリサイクルに取り組みましょう。
Vol.7 まとめ
衣服をリサイクルすることで自宅の部屋やクローゼットを整理できるだけでなく、環境保全に貢献できます。リサイクルの方法は3種類あり、服の素材や状態などによって振り分けられるなど、活用方法は多様です。着用しなくなった服が誰かの救いや喜びとなり、さらには環境負荷の軽減につながる可能性もあります。不要な服があると気付いた際は、すぐに処分せずリサイクルを検討してみましょう。
kreskoの服はサイズを変更することで長く服が着られるため、製品をつくるときに使う資源の量を抑えられます。また長く着られる分、廃棄する服を少なくするなど、kreskoは環境にやさしいものづくりを心がけています。